2009年06月27日(土)
怒鳴り声。
コスモは、人の怒鳴り声が苦手です。
これは、自閉症の人にかなり共通して言えることで、1つには大きな声や物音が苦手ということが考えられます。
もう1つは、怒鳴っていることそのものが、例え他人に向けられたものであっても、自分に向けて言われているように感じてしまうからです。
一方で、大勢の中で全体への指示を出されると、それが自分にも向けられているということが理解できなかったりします。
この辺りが、いわゆる自閉症の三本柱の一つ、コミュニケーション障害ということになります。
(残りの二本は、こだわりと想像力の障害です。)
そんなわけで、コスモは怒鳴り声が大の苦手なので、学校等にもその旨はお伝えしてあるのですが・・・

昨日のパソコン教室の帰りのことです。
コスモが、息抜きに「大怪獣バトル」(100円入れたら1回遊べるカードゲーム)をしたいというので、近くのお店に寄りました。
ゲームが終わった後、カードスリープ(カードを保護するビニール袋のようなもの)を買おうということで、レジに並びました。
レジは2つ開いていましたが、どちらのレジも店員さんの名札には「研修中」の文字が。
そのこともあってか、それとも品数の多いお客さんがいたのか、レジの前には長蛇の列が出来ていました。
孫らしき子を連れたお婆さんが、
「もうちょっと、たくさんレジを開けてくれたらええのにね〜」
と愚痴っていましたが、それはまあ、苦笑いしながらの愚痴だったので、いいとして。
やがて順番の回ってきた子連れの若い女性が、自分の番が来るなり、
「いつまで待たせる気?! もたもたしてて、駐車場が有料になったらどうしてくれるの!!
と、大声で怒鳴り始めました。
このお店が入っている建物は、2000円以上買えば駐車料金が1時間無料になります。つまり1時間を回ると料金が発生するので、そうなったら「どうしてくれる」と言ってるわけなんですが。
女性は引き続き、
「だいたい、こんなトロい奴をレジに置くな!!
等々、聞くに耐えない暴言を吐きまくり(本当はもっと汚い言葉なんですが、汚すぎて書けません)。
急いで上の人が現れて、一生懸命対応しておられましたが、暴言は延々と続いていました。
後ろで聞いているコスモは、真っ青になって固まって、ガタガタ震えて涙目になっていました。
「どうする? カードスリープ買うの、やめとく?」
と尋ねてみましたが、
「いや。せっかく並んだんやから、買う」
と本人が言うので、そのまま待つことに。頼むから、早く暴言が収まってくれ、と願いながら。
結局、駐車券を2時間まで無料にするということで決着がつき(本来「無料」は1時間までなので、かなりの特別措置です)、それでも捨て台詞を吐きながら女性は去って行きました。
女性に怒鳴られたレジの人は、他の人に代わってもらって、レジを離れました。人前で滅茶苦茶に怒鳴られては、いたたまれませんよね。たぶん、控室か何処かで泣いておられたのではないかと思います。
そしてコスモも、店を出るや否や、
「怖かったな〜〜。今度、あの人がまた店に来たらどうしよう・・・
と半泣き状態。
「大丈夫やよ」
「何で?」
「あの人は、あのお店の店員さんが気に入らんみたいやから、もうあそこには二度と買い物に来ぃへんよ」
「あ・・・なるほど
ここでやっと、笑顔になったコスモでした。
まあ、実際のところは分かりませんが、仮にあの女性にまた遭遇することがあったとしても、そのときは怒鳴っていないことを祈るばかりです

追記

ちなみに、私は一概にその女性が悪いと思っているわけではありません。
待たされている間、本当に店員さんたちがモタモタしていて、目に余ったのかも知れません。
苦情を言う側が、正当な場合だって多々あると思います。
ただ、このブログをお読みくださっている方の中で、もし自分は気に入らなかったら大声で怒鳴る方だ、という方がいらっしゃいましたら。
大勢の人がいる場所で怒鳴るとき、そこにはもしかしたら、怒鳴る声がとても苦手な自閉症の人がいるかも知れないということを、心の隅に置いておいていただければ幸いです。
彼らの恐怖心は、並大抵のものではなく、ずっと記憶に残ってしまう場合もあります。
その点を、どうぞご理解ください。よろしくお願いします。
2009-06-27 19:33 | 記事へ | コメント(7) |
| 広汎性発達障害(アスペルガー症候群) |

ニックネーム:コスモママ
性別:たぶん女性
年齢:そろそろ半世紀
都道府県:大阪府
アスペルガー症候群の大学生・コスモと、その母のお気楽ゲーマーライフ。発達障害がメインテーマですが、半分くらいはゲームの話題です。

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