アスペルガー症候群のコスモは、暗黙の了解とか、空気を読むとか、そういったことが苦手なわけですが。
つい先日、
「年上の人って、どうして尊敬せなあかんの？」
と、尋ねてきました。
誤解の無いように先に申しますと、コスモは社会のルールとしては、
「基本、年上は立てるべき」
と言うことは分かっているのです。
ただ、理由を知りたいと。
どうしてこういう話になったかと言うと、私の職場に４月から来たバイトの子が多少失礼な子で、まだ２０代なのですが自分の親のような年齢の先輩に向かって、
「そういうのって、尊敬できないんですよね」
といった発言をする、という話を私が（半ば愚痴的に）したので。
ちなみにその子の言う「尊敬できないこと」は、本当に些細なこと、誰もがうっかりやってしまうようなことで、標的は主に中年以上のパート女性なので、女性差別的な要素もあるのかな、と思っています。
まあ、これについては職場の問題なので、さておき。
コスモは暗黙の了解が分からない分、何事にも「理由」を求めてきます。
これは小さい頃からずっとで、たま〜に面倒くささを感じることもありますが。
ただ、本人が納得さえできれば、以後はそれを遵守してくれるので、１回限りの手間暇、みたいな。
とにかく、実際に普遍的な答えかどうかは別として、コスモが納得してくれないといけないので、こんな風に話してみました。
以下、私側から始まる会話形式で。
「あんたは、今年２０歳」
「うん」
「大人と言えば、大人やね」
「そうやね」
「で、ママやおじいちゃんおばあちゃんも、やっぱり大人」
「うん」
「ただし、年上やからって、全てが年下より優れているとは限らん。例えば、ママはゲームの腕前やったらあんたに負けるし、おじいちゃんおばあちゃんは、記憶力とかはあんたに負けてる」
「そやね」
「それでも尊敬すべきは、どの辺やと思う？」
「・・・経験？」
「そう、経験の違い。同じ問題に直面しても、経験を積んでる方が、対処の仕方が上手な場合がある」
「ケースファイルやね？」
ここまで進めれば、こっちのものです（笑）。
こちらにも何度か書いていますが、発達障害のコスモにとって、非常に大事なもの。それがケースファイル。経験則ですね。
歳を取れば取るほど、ケースファイルは積み上がっていくもの。
コスモが専攻する哲学ひとつ取っても、院生の先輩方、ましてや教授ともなれば、コスモよりも遥かに多くの書籍や論文を読み、討論の回数を重ねてきたはず。
「それを尊敬しないのは、おかしいやろ」
と、私がダメ押しすると、
「ごもっとも」
と、腑に落ちたらしいコスモでした。
コスモとの、こういった掛け合いは、面倒くさいのも確かなんですけど。
本人が成長すればするほど、禅問答みたいで面白くなってきました
|
