コスモは、広汎性発達障害の中の、アスペルガー症候群です。要するに自閉症です。知的障害と言語障害を伴わないので、アスペルガー症候群と呼ばれていますが、根本的な部分は「自閉症」とひと括りにしてしまって差し支えないと思います（あくまで私個人の意見です。違う見解の方も大勢いらっしゃると思います）。
そんな自閉症の症状のひとつとしてよく挙げられるのが、「想像力の乏しさ」。ファンタジー的にあれこれ空想するのが苦手、みたいに思われがちですが、それとは少し違って、「次に何が起きるか、相手がどう思っているか」を想像したり推測したりするのが苦手、という意味です。
コスモもご多分にもれず、そういった面が多々あるのですが、実は私もコスモのことは言えません。
物心ついたころからずーっと両親（特に母）に言われ続けてきたことですが、私自身も、
「相手が何を期待しているか」
といったことを想像するのが、どうも苦手なようです。
話が長くなるので細かい説明は避けますが、先日、母が私に、あるものをちょっと見てほしいと言ってきました。
「ここが、おかしいんやけど・・・」
と、母が指さすので、私は「なるほど」と言ってそこだけを修正しました。それで終わりだと思って、コスモのところに戻りかけると、
「あ、それから、ここも。ここもおかしいんやけど」
と、どんどん注文は増える一方。私は次第に苛ついてきて、
「何や、一箇所と違うやないの！ それならそうと、最初から言うてよ！！ 」
すると母は、
「そんなん、見れば分かるやろ。言われなくても分かるやろ？ そんなことでいちいち怒る、あんたがおかしい」
と。
そう。これが母の口癖なんです。
「見れば分かる」
「言われなくても分かる」。
・・・・・・すいません。分からないんです。マジで
子供のころ、留守番をしていて、母が帰ってくると、怒られないことはほとんどありませんでした。
私なりに気を使って、例えば洗濯物を取り込むとか、食器を洗うとか、精一杯の「お手伝い」をしておいたつもりでも、母から見れば、あっちこっちが抜けていたようで。
「あれもしてない！ これもしてない！！ 」
と、いつも叱られっぱなしでした。
そんなときも、父はかばってくれるでもなし（それについてはこちら）。
自分って、よくよく気の利かない人間なんだなあ、と、思いっきりマイナス評価な毎日でした
まあ、今ではそれを通り越して、図太いオバチャンになっていますけど
現代に戻りまして（笑）
母の言うとおり、苛ついて怒鳴る私も悪いんでしょうけど、ここは言っておかないと、と思いました。
あのな。子供のころから、ずっと思ってたんやけど。
お母さんが、「言わんでもわかる」「見れば分かる」っていうことが、私には分からへんねん。
不真面目にしてるんと違うよ。見てないわけやないんやよ。でも、本当に分からへんねん。
コスモもそうやけど、結局、私もそうなんや。言われな分からへんねん。全部、説明してもらわなあかんねん。
面倒くさいやろうけど、そうしてよ。そしたら、私もイライラせんで済む。そして、お母さんかて、嫌な気持ちにならんで済むと思う。
そこに援軍コスモ登場。
「そうそう。僕ら（私＆コスモ）みたいな人種は、ちゃんと言ってもらわなあかんねん。僕も学校で、『それくらい、言わんでも分かるやろ』って友達に言われる。でもな、僕はハッキリ言うねん。『そんなこと言わんで、ちゃんと全部言うて』って」
例によって、母はコスモには弱いです（父もですが）。
「分かった、分かった」
と了解して、私にも一言、謝ってくれました（私も、イライラしたことについては、謝りましたけどね ）。
私自身、自閉傾向があるのか、それともそれに近い気質を持っているだけなのか、それは分かりませんし、今更知ろうとも思いません。
何故なら私は社会でちゃんと働いていますし、生活していく上で、特に何かの問題が生じているとも思えないからです。
ただ、コスモと似た気質を持っていることで、コスモの気持ちが少しは分かってやれるような気がします。
少なくともコスモには、
「言われなくても分かる」
「見れば分かる」
とは言わない親になろう。
母には悪いですが、少しばかり反面教師になってもらって、私はコスモを傷つけないようにしたいと思います
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