定額給付金に関する法案が、可決されたそうですね。早い自治体では、今週来週中に配布するところもあるとか。
この給付金の是非については、思うところもありますがここで論じるのは置くとして、今回の給付金騒動で、１０年ほど前のことを思い出しました。
皆さんは、覚えていらっしゃるでしょうか。
地域振興券。
ちょうど１０年前の１９９９年の春、発行元の市区町村のみで使えるという制限つきで、子供やお年寄りなどに２万円分ずつの商品券が配布されたことがありました。
お年寄りは納税額などの関係で制限がありましたが、１５歳以下の子供は無条件でもらえたので、私もまた、届いたらコスモに玩具を買ってやろうか、余った額で服を買おうかなど色々と考えていたものです。
ところが。
近所の子供たちには、次々と郵送されてくるのに、我が家には一向に地域振興券が届きませんでした。
私は不審に思って、市役所に問い合わせました。その結果、驚きの事実が判明しました。
振興券は、我が家宛てにではなく、元夫宛てに送付されている、と。
実は、私がコスモを連れて離婚したのが、１９９９年の２月です。振興券が配布されたのが春（３月ごろ？）でしたが、配布の対象は、その年の１月１日時点での住民登録を基準に決められていました。
つまり、１９９９年１月１日の時点で、コスモと私はまだ元夫の家族だったため、振興券もその事実に基づいて、元夫の方に行ってしまったのでした。
私は、市役所の人に詰め寄りました。
子供のための振興券ではないのですか、と。
それが、すでに子供を養っていない（養育費も払っていない）父親の方に行って、子供本人、ひいては現在子供を養っている母親が使えないというのは、本末転倒ではありませんか、と。
市役所の人は、
「申し訳ないですけど、そういう決まりなんです」
と、本当に申し訳なさそうに仰いました。そしてそのまま、諦めかけていたのですが。
私が市役所に行った数日後。
差出人は元夫、そして宛名はコスモ宛てで、封筒が届きました。
そして、その中には地域振興券が。
私の見る限り、封筒に書かれた字は元夫の筆跡ではありませんでしたが、好意的に送られてきたものと考えて、
「ありがとう。コスモのために使わせてもらいます」
と、お礼の手紙を送りました。
それに対する元夫からの返事はなく、それっきりです。
ただ、送られてきたタイミングからして、もしかすると市役所の方が元夫に働きかけてくださったのかも知れません。
今となっては、確かめる術もないのですが、少しばかり懐かしい、そしてほろ苦い思い出です。
（ちなみに振興券は、コスモの洋服と、玩具代に使わせていただきました。）
今回、定額給付金は、今年の２月１日時点の住民登録を基準に配布されるそうです。
しかし、その方法では様々な弊害が生じる可能性があると言われています。
職を失って、住む場所を失くした人。
配偶者からのＤＶなどの被害を受けて、住民票を移動せずに何処かへ避難している人。
そういった、本来なら最も給付金が必要であろうと思われる人々に、正当に配布されない場合があるからです。
そして、私が密かに心配しているのが、ちょうど地域振興券のときの私のような立場に立たされる人が、いるのではないかということです。
離婚して、これから子供を一人で育てていくことになって、精神的にも金銭的にも不安定な時期に。
給付金で、ほんの少しの潤いを、と楽しみにしていたのに、その給付金が元配偶者の側に行ってしまう。
その可能性は、大いにあるわけです。
私のブログを、給付金配布の関係者が読んでおられるとはあまり考えられませんが、もし万が一にもおられるとしたら、ぜひご一考ください。
給付金はぜひ、正当に本人の手に渡るように配慮して差し上げてください。
１０年前、私はたまたま、元夫の善意か、或いは市役所の人のご尽力かで、振興券を手にすることができました。でも、誰もがそんな風に上手くいくとは限らないのです。
どうぞよろしくお願いします。
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