いちおう広汎性発達障害のうちのアスペルガー症候群であるコスモですが、もうすっかり日常的には困らなくなった今日この頃。
高校までと違ってフリーダムな大学という生活圏が肌に合っているらしく、毎日生き生きとした表情で通っています。
そんな姿を見ていると、私もつい、コスモに障害があることを忘れるとまでいかなくても、かなり意識の外になってしまったりすることはあるのですが。
それでも、「ある」のは確かなんだなーと思った、先日の話です。
障害うんぬんに関係なく、コスモにも短所とか、よろしくない癖とかがあるわけですが。
そのうちの１つが、食べ物を大きいまま頬張る癖。おかげで、喉に詰まりそうになったことも何度か。
お箸で切れるものは切るのですが（不器用なので、これも会得に苦労しました）、切りにくいものはひと口で食べようとします。で、先日もエビフライを一気に押し込もうとするので、
「前歯で噛み切りなさいよ」
と注意したら、意外過ぎる言葉が返って来ました。
「噛み切り方が分からへん」。
・・・・・・・・・・は？(・・;)
コスモはこういうことで冗談を言うタイプではないので、少なくとも「ウソだ」とは思わなかったのですけど。
「噛み切り方が分からない」？ え？ 噛んでるものは普通に噛んでるよね？？
で、よくよく聞いてみると。
例えば麺類とか、ハンバーグとか、軽く噛み切るだけのものなら問題ないそうです。
でも、ある程度の弾力があるものになると、「分からなくなる」のだとか。
実は、コスモの障害の一環に、「協調性運動障害」というものが入っています。
簡単に言うと「超運動音痴」のことなのですが、「障害」と名が付くだけあって、普通に「運動音痴」とは多少次元が違っていて。
「自分で自分の身体の使い方がよく分からない」という障害なのです。例えばマット上で前転をしようにも、手足をどう動かせばいいのか全く理解できなかったり。鉄棒しかり、跳び箱しかり。
そして、「分からない」は日常のちょっとしたことにも及んでくるので、お箸とかハサミとかの習得も大変だったわけですが。
まさか、自分の前歯での「噛み切り方」にも及んでいたとは・・・恥ずかしながら、コスモが20歳近くなる今日まで気付いていませんでした
そこで改めて、「噛み切る練習」。
「ほら、歯をこんな風にして」
と、私が「見本」を示しまして。
幸い、コスモは歯は丈夫なので、その日のうちに覚えました。
そうなんです、丈夫な歯なんです。物理的に「できない」わけじゃないんです。なのに、「分からなかった」わけですね。
うん、やっぱりあるねえ。障害
ともあれコスモは、
「噛み切れるようになった」
のが嬉しくて仕方ないらしく、昨日も学食で「カツカレーのカツをバッサリ噛み切った 」と笑顔で報告してくれました。
喜んでいるから、まあいいんですけど。
広汎性発達障害のコスモは、やはり何処までも、親の私ですら侮り難い存在なのでした。
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