夕方、コスモを連れてスーパーに行きました。そのスーパーの１階では、いつも何か催し物やバーゲンが開かれていて、今日はクッションやタオル類のバーゲンが催されていました。
会場のほぼ真ん中に、ふわふわのビーンズクッションが山と積まれていました。触ると気持ちいいからか、たくさんの子供が寄ってたかって、クッションを押したり抱き締めたりしていました。
コスモもふわふわの物が好きなので、子供たちに混じってクッションを触り始めました。しばらくして。コスモが触っていた青いクッションが裂けて、中身のパウダービーズがみるみるうちに流れ出してしまいました
私はビックリ、コスモは「予想しないこと」にパニック寸前。コスモは乱暴な触り方をしていたわけではないので、クッションの布がもともと弱くなっていたのかも知れません。でも、コスモが触っているときにクッションが破れてしまったのは事実。バーゲン会場のレジにいた店員さんに、事情を話して謝ることにしました。
レジのカウンターに頭を擦り付けて、
「すみませんでした 」
と謝るコスモ。私も破損したクッションを弁償して買うつもりだったのですが、店員さんは、
「いいんですよ。後で掃除しておきますから、気にしないでください」
と爽やかな笑顔 で対応してくださいました。私からもお詫びとお礼を申し上げて、取りあえずその場を後にしたのですが、
「大丈夫かな〜〜。本当にええんかな〜〜 」
と気になって仕方の無いコスモ。このままだと家 に帰っても言い続けそうだと思ったので、ひと通り買物が終わった後で、もう一度バーゲン会場に寄ることに。既に散らばったパウダービースはきれいに掃除されて、跡形も無くなっていました。
「良かったあ、きれいになってる・・・ 」
と安心したように呟くコスモ。
「掃除してもらったお礼も言うたほうがええかな？」
と言うので、ついでにバーゲン品のタオルを１枚買うことにして、レジに並びました。
レジの順番が回って来て、さっきの店員さんに、
「掃除してくださって、ありがとうございました！」
と、またカウンターに頭を擦り付けて礼をするコスモ。店員さんは相変わらず「いいんですよ」と爽やかな笑顔でしたが、もういいと言ってくださっているのに、謝り続けるコスモは、店員さんの目にはさぞ不思議に映ったことでしょう。
すみません、店員さん。
この子はアスペっ子なんです。
ひとつのことが気になりだすと、どうしてもそのことが頭から離れないんです。
ですから、本人の気の済むまで謝らせてやってください。
面と向かって、いきなりそんなことを言い出すわけにもいかず。
「ありがとうございました」
と、タオルのお会計を済ませて、コスモの手を引いて帰りました。
「ね、店員さんはもうええって言ってくださってるんやから。お詫びにタオルも買ったんやから。もう、気にせんでええよ」
と私。コスモも、ようやく納得のいった表情で、
「そうやな。掃除のお礼も言ったし。タオルも買ったし、これでお詫びは十分したよな？」
と、うなずくことしきり。
コミュニケーションの苦手なアスペっ子。苦手であるがゆえに、謝らないといけないときは、どのくらい謝れば良いかといった加減が分かりにくいのでしょう。
でも、悪いことをして、知らんぷりをしてそのまま逃げ出すより、ずっといいですよね？ 謝るべきときは、自分が納得できるまできちんと謝る。その気持ちだけは、持ち続けて欲しいなと思います
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