物への執着-心の星日記

物への執着

季節の変わり目で、ぼちぼち衣服の整理をしています。
その過程で、コスモの高校

のときの体操服をどうするか、と言う話になりました。
別に理由なんてないのですけど、卒業したころはまだ受験が続いており、その後も入学、自宅のリフォームと忙しかったので、何となく箪笥に入ったままになっていまして。
そして、体操服と言えば、と体育の授業で使っていた学校指定のスニーカー、その延長で通学のときに履いていた指定靴。
どちらも擦り切れていてボロボロで、少なくとも再利用できるものではありません。
体操服はまだ綺麗でしたが、名前が刺繍してあるし、かと言って大学で体育があるわけでもないので、半袖半パンなんて着る機会もないだろうし・・・

等々、考えて、その日はコスモが大学に行ってる日だったので、昼休みを見計らってメール

を送りました。
上記の物を、「どうする？」と尋ねたところ、いともあっさりと、
「捨ててくれて、全然構わない」
と。
更に続けて、
「俺は、高校までの思い出は要らない」
とも。
随分と唐突な言い回しのようで、コスモにとっては当たり前のことのようです。

小学校は、いろいろと大変でしたけど、アスペルガーという診断が下ってからは、良くしてくださる先生は大勢おられました。
中学校は、最初から発達障害前提で受け入れてくださったので、サポートの先生が最初から付くほどの優遇（？）ぶり。
高校は、サポートの先生こそいませんでしたけど、コスモが入った年からスクールカウンセラーを常置してくださるなど、様々な面でのフォローをいただきました。

・・・と、本当に恵まれていた、と思うんですけど。

やはりコスモ本人からすれば、何十人という集団（クラス）の中で毎日何時間も過ごすと言うのは、苦痛以外の何物でもなかったようです。
（感覚過敏とか、その辺に起因します）
ですから、卒業して、
「清々した」
と言うのが偽らざる本音のようで。
「思い出は要らない」、つまり思い出したくもないと言うことですね。
もちろん、ぶっちゃけるのは家族に対してだけで、お世話になった先生方や同級生に向かって発言すべきではない、と承知はしているのですが。
少し寂しいな、と親としては思います。
私も、周囲も、コスモを集団生活に馴染ませるために懸命だったのに、本人は「思い出したくない」なんて・・・
だからこその障害とも言えるのですけど。

救いは、コスモが「今」を楽しんでいることでしょうか。
大学生活は、心の底から楽しいようです。最低限の制限はあるものの、基本的に好きに過ごして、好きに学んで、好きに遊んで。
「俺は生きている」
と思うそうです。
だとすると、今までは・・・いえ、過激な言葉になりそうなので、書くのはやめておきますが。

「要らない」と言われて、体操服や靴は、全部捨てました。
長袖のジャージだけは、部屋着に使えるので置くとして。
制服も「要らない」と言われましたが、私の判断で保管しています。
コスモにとっては必要ない思い出でも、私にとっては自分が「頑張った」思い出でもありますからね。
ここは譲りません（笑）。

2015-10-26 13:29 | 記事へ | コメント(2) |
| 広汎性発達障害（アスペルガー症候群） |