客観視-心の星日記

客観視

広汎性発達障害のうちのアスペルガー症候群のコスモは、割と物事を客観的に見ていることが多い子です。
アスペルガー症候群と言うのは言語障害と知的障害の無い自閉症のことで、自閉症だから客観的、と言う訳でもないのですけど、少なくともコスモは常に世の中と言うものを一歩退いた場所から見ているような感があります。
例えて言うなら・・・薄いレースのカーテン１枚隔ててみている、みたいな。
自分は確かにその世界に存在しているのだけど、何らかの隔たりがあるのです。強固な壁ではないにしても、少しばかり遮るようなものが。

例え話はこれくらいにして。

そんなコスモは、家族（私含む）ですらも結構客観的に見ているのですが、最近とみにその対象になっているのが、同年代のお友達です。
決して悪しざまに言っているのではありません。ただ単に、冷静に観察しているだけです。先日のことですが・・・
コスモが休みの日に、たまたまうちの両親が出掛けたので、外でお昼を食べようと言うことになりました。コスモがいつものファミレス（サ○ゼリヤ）がいいと言うので、そこへ。
更にまたまたいつものメニューを注文したあと、コスモがボソッと言ったことには、
「あのなあ、僕くらいの歳になるとな、お母さんと外で食べるって言うのは避ける子が多いねん」
と。
前後何の脈絡もなくその話だったので、「？？

」でしたが、私もいちおう冷静に聞くことに。
「なんで避けるの？　恥ずかしいから？」
「うーん、どっちかと言うと『格好悪いから』かな」
コスモによると、高校生の男子には「こういうことは格好悪い」という基準が幾つかあって、そのうちの１つが「母親と出掛けること」なのだそうです。
この場合、父親は男同士と言うことで問題ないのだとか。あくまで「母ちゃんと出掛ける」という行動が格好悪いもので、
「友達に見つかったら、それこそ一大事」
だとか。
でも、そういうコスモは自分からファミレスに行くと言ったわけですし、外食に限らず私と一緒に行動するのを嫌がる素振りは無いし、
「その辺りはどうなん？」
と尋ねたら、
「僕はええねん。僕は気にならへんから」
と、あっさりした答えが返って来ました。

つまり、

一般の男子高校生にとっては格好悪い
　　　　　　　　↓
それを認識した上で、コスモ自身はどうでもいい

と言う流れなわけで・・・
独立独歩と言えばそこまでですが、何故それをいきなりファミレスで話すのか？
自分は気にしないとしても、友達に見つかったらいちおう「一大事」じゃないのか？
・・・何と言うか、この辺りが微妙なズレと言うか、「隔たり」なんですね。
私は慣れてますし、これがコスモと言う一個人だと捉えていますので直して欲しいわけでもないのですが、やはり世間様から見れば違和感はあるだろうなと思います。

ただ、コスモの「観察対象」が家族だけでなくお友達にも広がっているのは嬉しいことですね。
少し前までなら同年代の子の行動自体に、興味がありませんでしたから。
カーテンを隔ててでも良いから、少しずつ一歩ずつ、コスモの視野が開けていってくれればいいなと思います

2013-01-26 13:54 | 記事へ | コメント(0) |
| 広汎性発達障害（アスペルガー症候群） |