感覚の共有-心の星日記

感覚の共有

アスペルガー症候群（広汎性発達障害）のコスモは、いろいろな面で感覚が過敏だったりするのですが、そのうちの１つが「嗅覚」です。
匂いに対する敏感さがハンパでなく、小学校のころの話ですが、とある雑誌に「

のニオイつきカード」なる付録がついており、そのときは大パニックを起こしてえらいことになりました。
（付録ですから、ちゃんと「加減」はされていたのですが・・・とにかく、後に出版社に顛末をお伝えしたところ、非常に誠意ある解答をいただいたので、その雑誌は今でも買っています）
ただ、嗅覚の敏感な人間は我が家にもう１人います。
私です

と言っても、

カードが大丈夫だったので、コスモほど過敏ではないのですけどね。
たぶん、うちの両親が鈍い方なんだと思います。子供のころ、
「何か変なニオイがする」
と言っても、気のせいだと放置されました。
それが今では、コスモが一緒になって、
「確かに、変なニオイがする。○○みたいなニオイがする」
と、私より更に詳しく分析（？）してくれるので、両親も「気のせい」とは言わなくなりました。
「あんたたちは、本当にニオイに敏感やなあ」
と鬱陶しそうには言われますが・・・
もちろん、嫌なニオイだけではないです。
遥か向こうから流れてくる金木犀や沈丁花の香り。
どこかのレストランから漂ってくる、美味しそうな料理の匂い。
コスモとなら、
「うん、確かに。（匂いが）するする」
と言って共有することができます。
とても幸せな時間です。そして自分が、子供のころ「気のせい」と言われてすごく寂しかった思いがコスモのおかげで打ち消されていくような気がします。

コスモと共有できるのは、匂いだけではありません。
言葉遊びが大好きなのも、共有できる部分の１つです。
要するに、ダジャレや謎掛けの類なのですが。
これまた両親が嫌い（苦手？）で、子供のころは相手にしてもらえませんでした。
友達相手だと、何となく退かれるような気がして言い出せず・・・
それが、コスモが小学生になって、ダジャレの本を大喜びで読んでいるのを見て、
「この子は私と同じだ」
と確信しました。
そのときの嬉しかったことと言ったら

以来、お互い手元で何かをしていても口がヒマだったりすると、どちらかともなくダジャレ合戦や謎の掛け合いが始まります。
コスモが小さいころは私の圧勝（？）でしたが、今ではむしろコスモが私を凌駕しつつあり、実に手応えがあって楽しいです。
そんな私たちを母は、
「あんたたちのお喋りは、いつまで経っても止まらんで五月蠅い」
と言いますが・・・
どうってことはありません。私はもう、構ってもらえなくて泣いていた子供ではないので。

コスモといると、決して大袈裟な意味ではなく、魂の一部が重なっているような気持ちになります。
もちろん、コスモが私とは別個の人格だと承知した上での話です。
コスモが生まれたおかげで、私は１人で泣いている女の子ではなくなりました。
ある意味、やっと大人になれたのかも知れません。

コスモ、生まれてきてくれてありがとう。

2012-11-30 15:08 | 記事へ | コメント(2) |
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